意地悪のっぽと強気ちび


「ごめんごめん、聞くまでもなかった。小さいから見えないに決まってるよね」


「……………は?」


「愚問だったね」なんて嘲笑ってくる結城くんに対抗する。



「結城くんからしてみればみんな小さいんじゃない?」


「認めたくないのは分かるけど………大丈夫。小さくったって良いこといっぱいあるよ!」



「ほら」と指された窓へと目を向ければ、下校時間なのかわいわいと楽しそうに帰って行く小学校たち。


……………その小さいって少し違うと思うんですけど。



口には出さずに毒突く。




こうして私と結城くんの攻防戦が幕を開いたのだ。





< 15 / 99 >

この作品をシェア

pagetop