意地悪のっぽと強気ちび
げ。
なんでわざわざ私がこっちに来たと思っているんだろうか。
いきなり現れた結城くんについ嫌な顔をする。
「なんで私がいる方に来るの?とっとと席戻れば?」
「は?何言ってるの?俺は拓馬に用があって来たんだけど。え、もしかしておちびさん、自意識過剰なの?」
すっ、と私から距離を取った結城くん。
その顔はまるで、恐ろしいものでも見てしまったかのような怯えてる顔だ。
あいつ絶対いつか泣かす!!
けれども私たちの間に入って「まぁまぁ」と仲立ちをしようとしてくれている向田くんに免じて今日の所は勘弁してやろうと気を取り直す。
ほんとに良い友達がいて良かったね!
目の前で黙々と本を読み続けているアヤちゃんに目を向けると、軽く息をついた。