意地悪のっぽと強気ちび
「あてっ!!」
すっと机の間の通路に伸ばされた足に躓く。
転びそうになって慌てて足下を確認すれば、私が引っかかった存在が誰かの足だと分かった。
「あ、ごめーん」
棒読みで、悪気皆無な様子の結城くん。
またおまえか!
「こんな通路に足を伸ばすとか、足癖悪いんですか?嫌だわー」
「机が小さくて…………あ!ごめんごめん。おちびさんには分からないよね。足が長くて収まりきらないこの感覚」
「今度から気をつけるね」と親切面してにこりと笑う結城くん。
絶対嫌みだこれ。
ただでさえ机の横ってバックとか邪魔で通りにくいのに。
言い返してやろうと口を開こうとすれば、それより早く「きゃっ」と可愛らしい小さな悲鳴が上がった。