意地悪のっぽと強気ちび
②のっぽを全力で避けてみる
at女子トイレ
ふーっ。と我慢から解放され、晴れ晴れしい気持ちのまま手を洗う。
そしてぽっけの中にあるであろうハンカチを探っていれば、珍しく声をかけられた。
「ねぇ、小松さん最近結城くんに近付きすぎじゃない?」
…………はぁ。
何を言われてるか一瞬把握出来なくて、口をぽかんと開けてしまう。
まさか私が自分から進んで結城くんに近付くとか。笑えない。
ドMじゃあるまいし。
「ちょっと、聞いてるの?」
目の前にいる数人の女の子の中の、1番前にいた子が私の肩を押す。
当然そんなの予想していなかった私は、力に抗うことなく後ろのシンクへと手をついた。