意地悪のっぽと強気ちび
「嫌いな子いじめて、そんなに楽しい?」
「はぁっ?何言ってんのおまえ」
ぐっと胸を押して、結城くんと距離をとる。
「だって、私のこと嫌いだからそうやって意地悪するんでしょ?他の子には優しいのに」
ぐっと唇をかみしめる。
「嫌い」って言われたらどうしよう。
別に嫌われててもいいはずなのに、考えれば考えるほど聞きたくなくなる。
ここから逃げたい。
「ごめん、なんでもない」
ごまかして逃げようとするけれど、扉に手をかけると同時にかかった声に、動きが止まった。