意地悪のっぽと強気ちび


「嫌いな子いじめて、そんなに楽しい?」


「はぁっ?何言ってんのおまえ」


ぐっと胸を押して、結城くんと距離をとる。


「だって、私のこと嫌いだからそうやって意地悪するんでしょ?他の子には優しいのに」



ぐっと唇をかみしめる。

「嫌い」って言われたらどうしよう。
別に嫌われててもいいはずなのに、考えれば考えるほど聞きたくなくなる。


ここから逃げたい。



「ごめん、なんでもない」


ごまかして逃げようとするけれど、扉に手をかけると同時にかかった声に、動きが止まった。



< 47 / 99 >

この作品をシェア

pagetop