意地悪のっぽと強気ちび
③のっぽに特別扱いされる
at踊り場
結城くんを友達だと認識した翌日。
今までみたいに、朝から「おはようミジンコ」と爽やかに挨拶してきた結城くんと軽くバトルしていれば、私を訊ねてきた女の子たち。
クラスメイトに言われて扉を見れば、そこにいたのは散々文句を言ってきたあの子たちで、反射的に結城くんを見上げてしまった。
「行ってきなよ。大丈夫だから」
目が合うなり、くいっと顎で促される。
なんで結城くんが「大丈夫」だなんて言えるのかはさっぱりだけど、妙に信憑性のある言葉に、私は無言で頷いた。