意地悪のっぽと強気ちび

ころころと転がるバレーボールに、男子の方の流れ弾が当たったんだと理解する。


「ごめん小松!大丈夫か!?」



その言葉に反応したクラスメイトが一斉に私を見るけれど、その視線に私が気付く前に、いきなり視界が塞がれた。


「瘤出来てるだろうから、保健室行ってくる」


ひょいっ、と突然の浮遊感に慌てて目の前のシャツに縋る。



そして顔を上げれば、涼しい顔をした結城くんがいた。


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