意地悪のっぽと強気ちび
「ありがとう」
「……別に」
お礼を言うけれど、原因は俺らだし。と視線を反らされる。
いつもの意地悪とはまた違うその言い方と優しさに、距離を測りかねていた。
「………………」
「………………」
私を置いて体育館に戻ればいいのに、近くの椅子に座って動かない。
その沈黙に私もただただ氷を頭に当て続けていた。
「………あのさ」
「っ、はいっ!」
緊張のあまり、つい声が裏返る。
そんな私を見て、結城くんはぷっと吹き出した。