意地悪のっぽと強気ちび
アヤちゃんにはパス出来ないし、ボールは奪われちゃうしで、前半稼いでいた得点差はみるみるうちに縮んでいく。
気付けばラスト数秒といったところで逆転されてしまっていた。
「渚っ!!」
後ろから貰ったパスを受け取って、アヤちゃんを見れば、2人のマークを引き連れている。
そして、目の前にはバスケ部の子が迫ってきていた。
ど、どうしよう。
とてもじゃないけど、こっからシュートしても届かないよ。
残り10秒を切って、クラスみんなの応援が聞こえてくる。
「小松!抜け!!」
その中でも、聞き慣れた声に私の体は反応した。