意地悪のっぽと強気ちび
「おちびさん。よろしく」
「えっ?」
聞き返すよりも早く、腕を引かれて走り出す。
自分で走るよりも圧倒的に速いそのスピードに、足が絡まないように気をつけていれば、なんとか転ばずにゴールへと着くことが出来た。
「では、紙を見せてください」
係りの人に言われて、結城くんは紙を渡す。
どうせ、身長の低い人、とか、自分より背の低い人、とか、その手の類だろう。
そう考えた私は、油断していた。