意地悪のっぽと強気ちび
「じゃあ、夏に教えて貰ったら?中学の時から順位表に名前乗らなかったことないから」
「頭良いの保証するよ!」と笑って結城くんを押し出す向田くん。
えっと、あっと、うん。
向田くんの親切さには本当に涙が出るけれど、今回は違う意味で涙出そう。
「え、おちびさんに勉強教えるとか不毛そう。教えてもすぐ忘れそうだし」
「なんだとっ!?」
噛みつくように反抗するけれども、まるで信じて貰えない。
「じゃあ、今回のテストで良い点取ってみなよ」
「わかった!!」
「じゃあ、夏が勉強見て上げるってことで」
そうにこにこと笑った向田くんは、まぶしかった。