意地悪のっぽと強気ちび


「もし、小松さんがそんな意地悪な奴でもまだ仲良くしてあげても良いって思ってくれるなら、こっそり戻って教室でも覗いてごらん。たぶん、びっくりすると思うから」


私の滲んだ涙を軽く拭って、優しく微笑んだ向田くんに、小さく頷く。



確かにすっごく意地悪だし、背高いし、口悪いし、イライラするけど、それでも嫌いになれないぐらいには、仲良くなってる…と思うし。


「あと、またもし夏に泣かされるようなことがあったら、いつでも言って?小松さんの分、十分に注意しとくからさ」



冗談を言うみたいに笑った向田くんは鞄から紙とペンを出すと、さらさらと書き出してそれを私にくれる。

そこには番号と英語が羅列していて、それが携帯の番号だって分かるのに時間はかからなかった。



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