意地悪のっぽと強気ちび


向田くんと別れてから、貰った紙をぽっけにしまって言いつけ通りこっそりと教室へと戻る。


なるべく音を立てないように…とゆっくり扉を開ければ、隙間から見えたその姿はいつもの意地悪なサタン顔とかでは全然なくって、目を細めて問題集を見つめている男の子だった。




赤く染まった夕日を背景に、切なそうにしているその姿は、元々の容姿と相まってなんだか芸術的だ。


悔しいけど、目を奪われるってこういうことを言うんだなってすんなり思っちゃったし、何よりこんな顔させたのは私なのかなって思ったらなんだか胸がぎゅっとしまった気がした。




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