意地悪のっぽと強気ちび


「…った!」


「……なにやってるの」


勢い良くぶつかったというのにビクともせず、むしろぶつかった私の方がよろけた。

しかも地味に鼻痛い。



鼻血出たらどうしよう!なんて鼻を摘んでいれば、指の上からぎゅっと強く摘まれた。


「鼻ぶつけたの?…ただでさえ鼻も低いんだから、気をつけなよ」


高くなーれ、なんて笑いながら上に上にと摘んでくる結城くんを、顔を振って振り解けば残念そうに摘んでいた手をふりふりと振られた。


自分が鼻高いからって偉そうに…!



スッと筋の通った整った鼻を睨んでいれば、バカなことしてないで早くして、だなんて腕を掴まれ、強制的に数歩歩かされた。



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