意地悪のっぽと強気ちび
「ちょっと待ってて、急いでお金払ってくるから!」
席につき、無言で差し出されたコーンを受け取る前に、手に握っていた財布を握りしめてレジへ向かおうとする。
「は?お金払わずに商品貰えるわけないじゃん」
「いやでも、私払ってないし!」
そう言えば、はぁ。と呆れたような深いため息をつかれた。
「お金ならどこかのミジンコが小さい頭で一生懸命アイスを選んでる時に準備してレジに置いておいた」
「えっ!?奢らされるんじゃ!?」
いつもの意地悪から考えるに、それは容赦なく高額を請求されるものだとばっかり思っていたから、本気で驚く。
「別に女子に奢られるほど切羽詰ってないし」
「……そ、そう?でもとりあえず自分の分は返す!」
いくらだっけ?なんて言ってレジの方にある看板に顔を向けようとしたら、口元に冷たいものがぶつかった。