意地悪のっぽと強気ちび
「つめたっ!!!!」
びっくりして体を引けば、面白そうに笑われる。
あわてて口元を手で拭えば、溶けたチョコレートのアイスがつーっと手の甲を伝った。
「ほら、早く食べないと溶けるよ」
それとも食べちゃっていいの?だなんて意地悪に笑う結城くんに、ダメ!!!と即答してアイスを受け取る。
「…………ありがとう」
意地悪でも仮にも男の子だし、そんな奴に奢ってもらうなんて、なんだか女の子扱いされたみたいでいつもとのその扱いの差にムズムズする。
「どういたしまして」
少し照れくさくて、目線を合わせないままお礼を言えば、どことなく満足そうな返事が返ってきた。