白苺珈琲店


「ただいま」

まっすぐ切られた前髪をまた玄関で整える。

「ママァ、ピンクのスカート学校にあったやー。ごめん」

そう言ってレトロなドアを開けた。

「あら、そうだったの?」

アリスのお母さんはドレスまで来て、髪の毛なんてクルクルでお嬢様だ。

元々は現役のお嬢様だったが。


「でさ、髪の毛、ボブにしたいなぁ」

しましまの靴下を床にポイと捨てながら言った。

今の髪の毛は、腰あたりまであって、すごいクルンクルンな髪型だ。

「そんなバッサリ切っちゃうの?もったいないわね」

「でも長いの飽きた…髪洗うのも面倒だし…」

アリスはレースのついたワンピースに着替えた。

「じゃあ明日切ろうか~」

優しいママは紅茶をつくえに置いた。
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