強引上司のターゲット
瑞花の為だろ?
ちょっと…待った。

あたしは、その態度も、瑞花と呼び捨てにされることも、とにかく全部のそうする理由を聞いたよね?
それが、何であたしの為になるわけ?!
今度は逆に、あたしが眉を寄せて首を傾ける。


「だって、困ってたんでしょ?だから助けてあげたんじゃん。」


はーーー。
なんか、もう、いいや。
この人とまともに話そうとすると疲れる。
頑張って勇気を出して問い詰めたつもりだったけど、課長にとっては、当たり前のことをしてやった、ってことなんだ。


「そうですか。じゃあせめて、新庄さんと気まずくなるような助け方はやめてください。てゆうかもう、助けてもらわなくて大丈夫ですから。」


抑揚のない新庄さんを嫌がっておきながら今のあたしは完全に抑揚がない。

もう関わりたくない。
それだけだ。


「担当の方と揉めるのは避けたいので、荒らさないでください。」


自分でも酷いことを言ってる自覚はある。でもこうでもしないと伝わらないと思ったし、少し八つ当たりもした。
だってこんな帰り方して、明日新庄さんとどんな顔で会えって言うの。


それなのに…絶対課長がわるいのに。
ほんの数秒後には後悔することになる。


「わかった。悪かったよ。」


そう言って、心底傷付いたような顔をした。
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