強引上司のターゲット
あたしの嗚咽が止まった頃を見計らって、課長がゆっくりと離れて行く。
まだ…もう少しだけ。
そう思ってしまう自分に焦りながら、でもやっぱり、スーツの上着を掴んでしまった。
だって、このまま離れたらこんな場所で抱き合ってるあたし達も、あたしのぐっちゃぐちゃな顔も、全部注目の的じゃない。
恥ずかし過ぎて無理!
離れることも、上着を掴んだことも、どっちも恥ずかし過ぎて八方塞がりな気分だ。
それなのに、離れないあたしに気が付いた課長はあたしの頭の上で笑っている。
呑気なもんだ。ちょっとムカつく。
あたしのドキドキ返して欲しい!
絶っっ対!寿命縮まったんだから。
「大丈夫だから。行くよ。」
行くよ?
「行くよ」って、もう何回か聞いたことあるけど…今回のはいつもと違う。
言い方も空気も、全然チャラくない。
なんでこんな時に限って優しくて真面目な声出すんだろう。
突然課長の片腕が上がったと思ったら、「ほら行くよ」とあたしの頭を胸に抱えたまま誘導された。
行くよ?いやいや、行くよって聞こえてたけど。え?どこに?!
頭はグルグルアタフタしてるのに全く言葉にならない。
そのまま乗せられたのはタクシーだった。
まだ…もう少しだけ。
そう思ってしまう自分に焦りながら、でもやっぱり、スーツの上着を掴んでしまった。
だって、このまま離れたらこんな場所で抱き合ってるあたし達も、あたしのぐっちゃぐちゃな顔も、全部注目の的じゃない。
恥ずかし過ぎて無理!
離れることも、上着を掴んだことも、どっちも恥ずかし過ぎて八方塞がりな気分だ。
それなのに、離れないあたしに気が付いた課長はあたしの頭の上で笑っている。
呑気なもんだ。ちょっとムカつく。
あたしのドキドキ返して欲しい!
絶っっ対!寿命縮まったんだから。
「大丈夫だから。行くよ。」
行くよ?
「行くよ」って、もう何回か聞いたことあるけど…今回のはいつもと違う。
言い方も空気も、全然チャラくない。
なんでこんな時に限って優しくて真面目な声出すんだろう。
突然課長の片腕が上がったと思ったら、「ほら行くよ」とあたしの頭を胸に抱えたまま誘導された。
行くよ?いやいや、行くよって聞こえてたけど。え?どこに?!
頭はグルグルアタフタしてるのに全く言葉にならない。
そのまま乗せられたのはタクシーだった。