強引上司のターゲット
真面目な表情で挨拶をしていた課長がフロアの端から社員達の顔を順番に見始めた。
すると、一度あたしを過ぎたはずの視線が、すごい速さで戻ってきた。
ん?
んっ??
もちろんあたしも課長を見ていたわけだから、バッチリ目が合う。
そして、見つけた!とでも言うように、ふわっと微笑んだのだ。
すぐに逸らされるだろうと思った視線はいつまで経っても逸らされずに、あたしを見続けている。
え?エエエ?
な、何でしょうか??
あまりにもあからさまに見られると逸らせるものも逸らせないじゃない。
課長は感じてるか分からないけど、これだけ大勢の社員に注目されてる今この瞬間にあたしの方だけ見るのはやめてもらいたい!
これじゃあフロア中の女子社員から大バッシングだ。
不思議に思ってるだろう社員達を余所に、全く空気を読まない部長がこの場の解散を指示してくれたおかげで、あたしはなんとか解放された。
グッジョブ部長!と心の中で親指を立てていると、早速後輩の美穂ちゃんが駆け寄って来た。
「せんぱ〜い!何ですか今の?!知り合いだったんですか〜?」
甘い話し方とは裏腹に眼球が黒光りしている。
「いやいや、知らないよ全然!」
「ホントですか〜?抜け駆けはやめて下さいよ〜?」
ぬ、抜け駆けって。
そんなつもりは更々ないのに。
敵を作らないように必死で作り上げてきた人間関係に危機を感じて、あたしはあの課長と極力関わらないようにしようと思った。
すると、一度あたしを過ぎたはずの視線が、すごい速さで戻ってきた。
ん?
んっ??
もちろんあたしも課長を見ていたわけだから、バッチリ目が合う。
そして、見つけた!とでも言うように、ふわっと微笑んだのだ。
すぐに逸らされるだろうと思った視線はいつまで経っても逸らされずに、あたしを見続けている。
え?エエエ?
な、何でしょうか??
あまりにもあからさまに見られると逸らせるものも逸らせないじゃない。
課長は感じてるか分からないけど、これだけ大勢の社員に注目されてる今この瞬間にあたしの方だけ見るのはやめてもらいたい!
これじゃあフロア中の女子社員から大バッシングだ。
不思議に思ってるだろう社員達を余所に、全く空気を読まない部長がこの場の解散を指示してくれたおかげで、あたしはなんとか解放された。
グッジョブ部長!と心の中で親指を立てていると、早速後輩の美穂ちゃんが駆け寄って来た。
「せんぱ〜い!何ですか今の?!知り合いだったんですか〜?」
甘い話し方とは裏腹に眼球が黒光りしている。
「いやいや、知らないよ全然!」
「ホントですか〜?抜け駆けはやめて下さいよ〜?」
ぬ、抜け駆けって。
そんなつもりは更々ないのに。
敵を作らないように必死で作り上げてきた人間関係に危機を感じて、あたしはあの課長と極力関わらないようにしようと思った。