強引上司のターゲット


「うん!イケるじゃん!」


「それは良かったです。」


今あたしは、課長の家のダイニングテーブルで課長と朝食をとっている。


と言うのも、キッチンに呼ばれて行くと「昨日と今日のお詫びに朝メシ作って」と、あの悪い顔で言われたからだ。


確かに迷惑かけたけど…あの悪い顔は心臓に悪過ぎる。
何を企んでるのかと怖くて仕方ない。

けどまぁ、おいしいと食べてもらえるのは嬉しかも。
意外にも冷蔵庫の中には食料があったから、課長も料理をするのかもしれない。
尚更、普段から自炊してて良かったと思う。


そして、料理をしながら考えた。

あれは、
あのキスは、アメリカ育ちの課長にとっては“おはようの挨拶”なんじゃないか?!と。


ほらよく、ね?アメリカではね?

よしっ。


「課長って、アメリカ育ちなんですよね?日本には慣れましたか?思わずハグしそうになったり、しませんか?」


こうやって探りを入れれば分かるはず!


「あ?でも俺、7歳まではこっちだから、そんな習慣ないよ?」


…っ!!
な、なにっ?!
じゃあ…?


「はは〜ん…ふ〜ん?」


課長の企む声がする…
そして、今までで最高の悪い顔だっ。


「言っとくけどさっきのキス、挨拶なんかじゃないからね?」
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