強引上司のターゲット
【残酷】
月曜日の朝をこんなにも緊張したのは入社以来だ。



課長を意識してしまったことは、認めた。
認めたけどそれは、相手が課長じゃなくてもそうだと思う。

そう、例えば担当の新庄さん。
新庄さんにあんな風にされたとして…


…んん?
なんか…。
なんか忘れてるような?





「っあーっ!!」


忘れてた…。完全に!

新庄さんに食事のこと考えといてって言われたしそれに、課長に連れて行かれるまま変な風に話終わったんだった…。


「もぉ〜朝からどうしたんですか〜?」


念入りにメイク直しをしながら声をかけてきたのは、後輩の美穂ちゃんだ。

朝のロッカールームで大きな声出せばそりゃあどうしたのって聞かれるか。


「まさか、課長と何かあったわけじゃないですよねぇ?」


っう…。こ、怖い。
目が!目が黒光りしてますよ!


「や、やだなぁ、そんなわけ」

「ないですよね!」


ってこら。まだ最後まで否定してないよ?


とにかく、新庄さんにはこの前のことちゃんと謝って、食事の件は断ろう。

それから課長は…課長とは、関わらないように。
これでいいんだ。
あたしは今までこうやって上手くやってきた。
敵は作りたくない。
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