SMILE

「入っても.......いいですか?」

当然許させるだろうと思い、
発した言葉。
そんなの甘い考えだった。

「すみません。入らないでください。」

頭が真っ白になった。
自分がはずかしかった。

「そ、そうですよね.......迷惑ですよねっ!
いきなり押しかけてすみませんでしたっ!」

松葉杖では早く歩けなかったけど
それでも全力で歩いた。

その間に私は聞いてしまった。

おそらく槇原さんの医師の人だろう。
看護師の人と話していた。

「槇原さん.......もぅ長くない.......
最後まで傍にいてくれる人とかいたら
まだ、槇原さんも寂しくないだろうに.......」

看護師の人はただ寂しそうに頷いていた。

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