SMILE

槇原さんは手をのばして
私の顔に触れようとしたが途中でやめた。

「なんで.......泣いているんですか.......」

槇原さんは私に困った笑顔で言いました。

私は知らずに泣いていた。

「.......こ、これは、な、なんででしょう.......
自分でも知らずに泣いていたんで.......
すみません。」

槇原さんは笑っていた。

「僕、長くないって知ってますよね?
誰から聞いたか知りませんが......」

「あ、たまたま医師の人と看護師の人が
話してるの聞いちゃって.......」

「あぁ、そうなんだ.......
ごめんね、心配かけて.......
君が知っているように僕は長くないみたい
だから、一緒にいない方がいい。」

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