SMILE

ただただ静かに、
誰にも気づかれないように、
一人で泣いていた。

母は薬を取りにいっていたので
ちょうどよかった。

「そこはみんなが座る場所です。
邪魔なので起き上がってください。」

男の子が私に言った。
私より大人びてて、
メガネをかけ、真面目そうな人だった。

「すみません、すぐにどきます。」
私は反論することもなかったので
起き上がってそこを立ち去ろうとした。

けど、あまりの立ちくらみに
倒れそうになった時、
その男の子が私の腕を引っ張ってくれて
倒れずにすんだ。

「.........こんなにも熱が.........
すみません。そちらの体調も理解せずに
注意をしてしまって.........」

男の子はなにも悪いことをしていないのに
謝ってきた。

「いえ、私が悪いので謝らないでください
支えてくれてありがとうございました。」
私は頭があまり働かない状態で
返事を返し、その場から立ち去った。

< 3 / 30 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop