SMILE
ただただ静かに、
誰にも気づかれないように、
一人で泣いていた。
母は薬を取りにいっていたので
ちょうどよかった。
「そこはみんなが座る場所です。
邪魔なので起き上がってください。」
男の子が私に言った。
私より大人びてて、
メガネをかけ、真面目そうな人だった。
「すみません、すぐにどきます。」
私は反論することもなかったので
起き上がってそこを立ち去ろうとした。
けど、あまりの立ちくらみに
倒れそうになった時、
その男の子が私の腕を引っ張ってくれて
倒れずにすんだ。
「.........こんなにも熱が.........
すみません。そちらの体調も理解せずに
注意をしてしまって.........」
男の子はなにも悪いことをしていないのに
謝ってきた。
「いえ、私が悪いので謝らないでください
支えてくれてありがとうございました。」
私は頭があまり働かない状態で
返事を返し、その場から立ち去った。