好きとスキが重なった日
「悠真、一つ訊いてもいい?」


「なに?」


「悠真は過去に何があったの?」


「それ話してどうなんの?
美莉亜に話したって何か変わる訳でもないし、話すだけムダじゃん?」


「そうかもしれないけど…悠真の支えになりたいの!」


「何いい人ぶってんの?
それで俺の気を引こうとでも思った?」


「悠真、何勘違いしてるの?
さっきから変だよ………」


「俺は元から変だし!
それより美莉亜は俺のこと好きなの?」


「私は悠真のこと………」


「やっぱり今は言わなくていい」


私が愛の告白を勇気を出して言おうとしたのに、悠真の手によって口を塞がれた。





悠真はもう私の気持ちに気づいているの…?



だから″今は言わなくいい″って言ったんだよね?





悠真をどうしたら笑顔にすることができるの?



いつもの陽気に笑った笑顔を私に見せてよ。





悠真が悲しんでいる顔なんて見たくない。






あの日…
理科室で私にキスをした時も、心の中で泣いていたよね…。




もっと感情を露にして、思う存分泣いてよ。



一人で苦しまないで!!



私に出来ることは数少ないかもしれないけど…




悠真の傍にいることならできるよ?





だからもっと私を頼ってください。
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