好きとスキが重なった日
「あのさ、イタリアン料理食べに行くだろ?
昨日約束したしな」

悠真は話を逸らすように、話題を変えた。


「無理しなくていいよ?」


「別に無理なんかしてねぇけど」


「そう…」


「あぁ、そうだ!
美莉亜って今欲しいのとかある?」


「欲しいの?」


「今一番欲しいもの!」



今一番欲しいのは、悠真かな?

なんてジョークだけど・・・


「欲しいものなんてないよ!
幸せになれたらそれでいいかな」


「ずいぶんカッコいいこと言うんだな」


「だって、わがままなんて言えないから」


「そっか
美莉亜も大人になったんだな」


「そりゃもう18だよ?
立派な大人じゃん!」


「バーカ!まだ子供だろうが!」


「テヘヘッ」


私は甘えた声で悠真に問いかけたら、悠真はふん と鼻を鳴らすようにそそくさと歩き出す。


「待ってよ!」


「待たねーよ!」


「いじわる」


「だからいじわるじゃねーから!」



悠真はそう言いつつも、素っ気なく私に手を差し出し、優しく握ってくれた。





悠真って何か変わってるけど、優しさは相変わらずだね!!







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