好きとスキが重なった日
その後店員さんが、まだ早いのに、クリスマス仕様にデコレーションをした箱を腕に抱えて持ってきた。


「この箱の中からお好きなのを、一つお選びください!」


「なんでもいいんですか?」


「はい!どうぞ~」


悠真が、女性店員さんが腕に抱えている箱の中に手を突っ込むと、コロコロと箱の中でボールを指で転がす。


そして箱の中から出てきたのは、ピンク色をしたハートのボールだった。



「なんて書いてあったの?
店長おすすめメニュー!」


「三種のパスタの盛り合わせ…」


「私と注文したもの同じじゃん!」


「これは偶然だ!
もっと違うやつ食べたかったなぁー」


「なにそれ、店員さんの前で失礼だから」


「いいんですよ
それよりおめでとうございます
恋人と同じメニューを引き当てた場合、サービスとして金箔入りティラミスを提供させて頂いています

ティラミスは食後で宜しかったですか?」



「はい、お願いします!」


「では、ごゆっくりどうぞ!」


女性店員さんが去った後、私は一人頭の中で考える。


まさか悠真が、私と同じメニューを引き当てるとは思わなかった。


偶然にも程があるよね…



だとしたら運命!!??





それよりさっき、女性店員さん私達のことを恋人って言った?



悠真はその″恋人″について否定しなかったよね…





私達ってもう、恋人の仲だと一緒なんだ・・・。
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