好きとスキが重なった日
「リュウ起きて!リュウ?」


私は必死になってリュウの体を揺らす。
リュウはう~んと寝言を言っては、目をゆっくりと開けた。



「ミリー起きてたのか?
もう大丈夫?」


「今さっき起きたところだよ!
今はもう全然平気!!!」


「そっか!それなら良かった」



そう優しい口調で言って涙ぐんだリュウは、私を優しく抱き締めた。



「リュウ…?」


「ごめん、ミリー」


「どうしてリュウが謝るの?」


「許してもらおうとは思わない
だけど俺は素直にミリーに伝えないといけないと思った」


「うん…」


「ミリー、俺が絶対ミリーを幸せにするから
もう深瀬とは関わるな!」


「どうして?どうしてリュウがそんなことを言うの?

私は、悠真が好きなんだよ?

自分の悠真を想う気持ちを大切にしたい」


「深瀬は俺と同じでミリーを傷つけてしまう

今日みたいに何かあった時、深瀬はミリーを助けに来なかった

だから…」


「そんなことの為に私は悠真を嫌いになれないよ
リュウ、どうしたの?
今日のリュウおかしいよ…」


「ミリーの辛く悲しんでいる顔を見たくないんだ…

俺がミリーを虐めるようにあの日言ってしまったこと、今になって酷く後悔している

俺はミリーを虐めから守る勇者になりたかったんだ…
だから俺はつい言ってしまった
ミリーを虐めるように・・・

ミリーの虐めがあんなに酷くなるとは思わなかった
皆面白がって、俺が止めるように仕向けても止めなかった


俺はあの日ミリーを傷つけてしまったんだ…

だから俺が全力でミリーを守ろうと誓ったんだ!

本当にごめん…ミリー」




中学時代、私を虐めるように仕向けたのがリュウだったんだ…

私はあの虐めのせいで、私の人生が全て変わった。
あの虐めさえなければ私の今の人生が違ったかもしれない。


あの虐めがあったお陰で私はメンタル的にも、強くなれた。

リュウのお陰で変わろうとも思えた。



あの頃の私達はまだきっと幼かったんだ。



だから本当の大切なことに気づけなかっただけ!!



勇気を出して助けてくれたんだよ、リュウは・・・


たくさんのクラスメイトが私の悪口を言っても、リュウだけは罵声を吐かなかった。


私を守りたい一心がリュウを勇者にし、私を変わらせた。



私はそのお陰で悠真と会えることが出来た。



あの頃は本当に虐めに耐えることが辛くて、悲しくて、いつも一人泣いていた私だけど…


過去のことにはもう振り返らない。



今が私にとって楽しいから!



それに、リュウが正直に勇気を出して話してくれたし、リュウと友達になれて本当に良かった!



だから私は絶対リュウを突き放したりしない。









ずっとリュウと友達でいると誓います!
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