好きとスキが重なった日
「ミリー、そろそろ教室に戻るか!」

気を晴らすように上を一瞬見上げたリュウが、私の目を見つめそう呟いた。


「うん!そうだね」


「中島くん、逃げるなんて卑怯じゃない」


「俺は別に逃げてないです」


ハッと声を漏らした広子先生が、コーヒーの入ったマグカップを机に置くなりパソコンと向き合って、キーボードで文字を打ち始めた。


広子先生、何だか気が冷めた仕草を取っている。


案外広子先生って、寂しがり屋なのかも…?



「広子先生、今日はありがとうございました!」


「また何かあったらいつでも無理せず来てね!」


「はいっ」


明るい声で言った広子先生が、私に手招きをして、キャンディーを握らせてくれた。




このキャンディー…



物置で掃除した時に悠真が私にくれた、いちご味のキャンディーだ!!!
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