好きとスキが重なった日
リュウは何で時計の針をしきりに眺めていたの?

今日って、何かあったっけ…

私は気になったことにはそれが何なのか分かるまで、ずっと気になってしまう性格だから、リュウに唐突に訊いてみた。



「リュウ、リュウに訊きたいことがあるの」


「なに?」


「何でさっき時計の針をしきりに眺めていたの?」


「それはまぁ…
俺がミリーに振られたこととか、深瀬のこととかを考えていただけだよ?

深瀬…
あいつも可哀想なやつだよな」


「どうしてリュウはそう思うの?」


「あいつ…深瀬は人を好きになれないんだと思う…
例え好きになったとしても、その人を愛すことが出来ない


だけど深瀬は、ミリーを愛そうと一生懸命悩んで、自分一人で頑張ろうと闘ってる

だからさ、ミリー

深瀬の気持ちに応えてあげてくれ!」


「リュウ…ありがとう
本当にありがとう!

人を好きになること、私だって怖い
相手にどんな風に思われるんだろうとか、容姿に自信が無かったりもする

そんな時に悠真に好きって言われて、正直ドキドキしたけど嬉しかった!!

私は一人じゃない、私のことを陰から支えてくれる大切な仲間達がいるって思ったの

だから私も悠真と一緒に闘って、壁を乗り越えるよ

私は悠真を愛し、私から愛情表現を沢山して、悠真に愛してもらえるよう頑張るね!」


「ミリーは十分可愛いから、自分に自信を持って頑張れよ!
俺はいつだってミリーの味方だから!」


私の背中を優しく未来に向かって歩めるように、リュウが押してくれたような気分に陥った。


リュウ、本当はどう思ったの?


私は一人歩く足を止め、スタスタと歩き進めるリュウの背中を見つめた。


リュウの背中はどこか寂しそうで、氷のようにヒヤッとしそうなくらい、ブルーに染まっているように見える。


決して泣かないように強がってるリュウ…






泣いてもいいんだよ?



私の肩で、泣きたい時は思う存分泣いてもいいんだよ?



だけどリュウは、決して自分の弱さを私の前では見せたりしない。



″俺は男だから、女の子よりメンタル弱いのはカッコ悪いだろ?″



なんて、時よりカッコつけたりしている。




たまにね、″女の子を守るのが俺の役目!″ ってリュウが言った時、思わず拍手したくなっちゃった。









女子はそんなこと言われたいからさぁ・・・



だって、誰かに守ってもらいたいし



誰かに大切にされたいから。
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