好きとスキが重なった日
「は、初めまして!
悠真の友達の神崎美莉亜です

今悠真いますか?」


「あなたが美莉亜ちゃん…?
わぁー会いたかったわ~美莉亜ちゃん!

実はね、悠真から美莉亜ちゃんの話を、毎日のように聞かされてたのよ!
でも当の本人には会わせてくれなくて…

でもこうやって、美莉亜ちゃんに会えて嬉しいわ!」


悠真のお母さんは嬉しそうに、ニコッと笑みを溢すと、私の両手を握ってきた。


「でもごめんね…
悠真は今、花を生けに行ってるのよー

せっかくだから、さっき悠真が持ってきたりんごでも食べない?」


「はいっ!是非頂きます!
りんごは私が切るので、お母さんは休んでいてください!」


「そう?ありがとう!
美莉亜ちゃんのお言葉に甘えるわ

それにしても、本当に美莉亜ちゃんは可愛いわね!」


「そうですか?ありがとうございます!」


「そういえば、悠真との馴れ初め聞きたいなー」


私はパイプ椅子に座り、果物ナイフとりんごを持つと、りんごの皮を剥く。



「悠真とは六年前に実は出会ってたんです!
私が知らない人に声を掛けられている所を、悠真が助けてくれて…
その時に、"次会った時にお前をもらうから!"って言ってたらしく、案の定高校で悠真と再会しちゃったんですよ!

突然理科室でキスされたんですけどね…」


「悠真が美莉亜ちゃんにそんなこと言ったのー?

悠真って案外男前だったのね!
お母さんビックリしちゃった

余程、美莉亜ちゃんのことが好きだったんだね!
恋だね、恋!
ふぅ~青春!!」


悠真のお母さん、今いくつですか? って訊きたいくらい、反応が可愛い!!!


"恋だね、恋!ふぅ~青春"って、私より言葉の使い方が乙女だー・・・



悠真が羨ましすぎて、何だか落ち込んじゃう。
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