好きとスキが重なった日
「だから言っただろ!!
俺の話をちゃんと聞かないからだ!

母さん、ティッシュくれ
後絆創膏あるか?」


「えぇ、あるわ!はい」


悠真のお母さんが、悠真にティッシュと絆創膏を受け渡すと…

悠真が私の方へと近づいてきた。
私から、果物ナイフとりんごを奪い取ると…


「美莉亜、大丈夫か?」


と 心配そうな顔をして、私の頭をぽんぽんして撫でてくれた。


「うん、大丈夫だよ」


私の指に悠真が指を絡めてくる。

私の指の傷口を見るなり、ホッとしたのか、悠真がため息を溢した。


「傷はそんなに大したもんじゃない

良かったな、美莉亜!
止血するから、少し我慢しろよ

ティッシュの上から押すからなー」


悠真が傷口にティッシュを巻いて、心臓より上に私の手をあげると…

少し指が熱っぽいけど、出血がだんだん治まってきた。


血が治まるのを確認すると、私の指に絆創膏を巻き始める悠真。


巻き終わると、またしても私の頭をぽんぽんする。



「美莉亜、頑張ったな!
もう手当て終わったぞ?
跡が残らなくて、本当に良かった」


そう言った悠真は、血の付いたティッシュをゴミ箱の中へシュートした。


見事ゴール!!!



元バスケ部に入っていただけあって、実力あるね!
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