好きとスキが重なった日
数秒間の間、街の景色を眺めていると…
制限時間が経ったのか、双眼鏡の中が暗くなった。


私はすっきりしたように、そう悠真に向かって声を漏らす。


「あぁーすっきりした!
これも、ここに連れて来てくれた悠真のおかげだね!!」


「だろ?美莉亜に笑顔が戻って、本当に良かった」



ふと私は思い出した。

さっき校長室で、篠塚蓮から手渡された手紙の存在を………


すっかり忘れちゃったなぁ・・・。
篠塚蓮が、まだ渡してないことを知ったら怒るかな?



「悠真、ちょっといい?
篠塚蓮から、"悠真に渡してくれ!"って 頼まれた物があるの」


私は悠真にそう言うと、スクールバックから篠塚蓮に預かった手紙を取り出した。


それをそっと悠真に手渡す。



悠真はすぐさま受け取ると、封筒を開け、静かに黙々と読み始めた。






もっと早く、手紙を悠真に手渡していたら…



違った世界が見えたのかな…?



私のせいでごめんなさい。

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