好きとスキが重なった日
「分かったよ、ふんっ
美莉亜なんかもう知らない」


急に子供みたいに駄々をこね、私とは違う方向へそっぽを向いた悠真。

分かった振りしちゃって…
本当に悠真が何考えてるのか分かんない。

分かりたくても、分かんないんだよ。
それが現実だから。


「いい加減にしなよ!
子供みたいにねちねちと駄々こねてさー
自分が今、どんな立場にいるか分かってる?
悠真は今…病人なんだよ?

病人なんだから、ちゃんと安静にしてなくちゃ駄目だって私は言ってるの!

悠真のことを大切に思ってるから、私は今怒ってるんだよ?

私の気持ち、分かってよ…」


「もうそのくらいにしてください!
あまり刺激しないでください!まだ病院に着くまで予断が許されない状態なんです

だから今は彼をそっとして置くべきです
もうすぐ病院に着きますから

彼女さんの気持ちも分からなくないですが、それはまた改めてお二人で話し合うべきだと僕は思います!」


「すいませんでした
救急車の中で大きな声を出したりしちゃって…
そうですよね!救急隊員さんの言う通りだと思います!

ありがとうございました」


「いえいえ、僕は…」



救急隊員の言葉が胸に熱く響いた。

あんなに熱心に私達の事を考えて話してくれるなんて。

私、救急隊員に迷惑かけちゃったな・・・

恥ずかしい。


悠真は救急隊員の言葉をどう受け取ったんだろう。



救急車の中で、自分のことしか考えていない私は、ただのバカ(精神的不安定)の人にしか思われてないのかなぁ…


でも私は、ちゃんと悠真に分かって欲しかったの。

悠真にあまり無理して欲しくなかったから。


それも全て分かっている救急隊員すごい!!!
< 328 / 527 >

この作品をシェア

pagetop