好きとスキが重なった日
「見たくて見た訳じゃないよ?
悠真のお母さんかなって思って、メールを開いたらお姉ちゃんだったから

ね?矛盾してないでしょ?」


「まぁな!今日は許すが、今度から俺の携帯見んなよ!
大事な俺の個人情報なんだからさー

次見たらそうだなぁー、美莉亜の脇腹こちょばす!」


幼い子供みたいに楽しそうに微笑んだ悠真が、私の脇腹をこちょばしてきた。

く、くすぐったい。
次第に笑いが込み上げてくる。


「いー、くすぐったい!悠真ずるいよ…」


「今日はこんぐらいでいいか!
次はもっとこちょばすからな!!」


「あ、はいっ…」


私はただただ微笑を浮かべることしかできない。
悠真がこちょばしのプロだったとは…
脇腹をくすぐるなんて、反則~

これでも私、女の子なんだからね。


その後も悠真と他愛のない会話をして、そろそろ帰る時間になった。

私が売店で買ってきたココアのプルタブを開けて、悠真に差し出す。

漫画とか暇だと思って買っていったら、悠真すごく喜んでたよ!


漫画といっても、恋愛とバスケをモチーフに描いてあるやつ!!


悠真が″俺に恋愛の漫画を見れって言うのか?
俺に恋愛を磨く為に、きゅんきゅんすれだと?″


そう言った割には、さっき真剣ににやけながら読んでたね。

私と悠真を、その漫画の主人公と重ねていたのかな?
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