好きとスキが重なった日


家の前に着くと、私は門を抜け家に入ろうとした。
さっきまでとは違って、更に薄暗くなっている空。
空気さえも重く感じた。


その時、誰かがこっちをじっと見ていることに気がつく。
もしかして私、あの人に後を付けられていたの?

普通こういう時は怖くなって、家にすぐさま帰るのが無難だ!そして助けを求める。

でも私はそうしなかった。
その誰かに話しかけてしまったのだ。


「あのー、私に何かご用ですか?」


「あ…」


その誰かが、私が話しかけたことに非常に驚いて、動揺しているのが見てとれる。

″あ…″ としか言葉を出さないその誰か。


「身分明かしてくれないと、警察に電話しますよ?
良いんですか?」


私はその誰かにそう言うと、携帯をカバンから取り出し、携帯をちらつかせる。

その誰かは何も行動に移さないで、じっと身を潜めるように固まっていた。


「それだけはダメだ!」


「じゃあ、あなたは一体誰なんですか?」


耳元で聞こえる、ざわざわと揺れる木々の葉の音。
不気味で仕方がない。
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