片思い。



「華野は校門の前に行ったら悠輝のところに行ってそれから2人で歩いてきて。俺はそのまま行くから」



「え?」



教室を出て、あたしは池宮くんの後ろを歩きながらついていき、池宮くんは振り返らずにあたしにそういった。



正直、よくわからないんだけど……。




「ようは、華野と悠輝が俺といるところを見せないためのものだ」



あぁ、そういうこと。



……でも



「あ、あたしは別に池宮くんといるところ見られてもいいけど……」



と、自分で言ってて恥ずかしかったけど、事実だし……。



「……いいんだよ。これで」



池宮くんは、意外と喋る人なんだと思った。



< 38 / 114 >

この作品をシェア

pagetop