片思い。



そして、午前の授業が終わった。



授業が終わるだけで少し眠気が覚めるよね。



「弁当たーべよっ!」


楓はいつでも元気だねー。


「美桜ちゃんのお弁当美味しそうなんだよねー?」



そう言いながらあたしの方を見てくる。



これはいつもと同じだな、と思いながらもその仕草がほんと可愛くて



「仕方ないなー。今日は何がほしい?」



「やった!んーとね、唐揚げ!美桜ちゃんには玉子焼き上げる!お母さんの玉子焼き美味しいんだよ!」



「ほんと?ありがと!」



もらった玉子焼きを食べてみると



「おいしいね!砂糖の味付け好きなんだー」



「でしょ?まだあるから雅ちゃんも食べてみて!」



「うん。おいしい。楓は自分で作んないの?」



「……知ってて言ってる?」



「うん。料理が全くできないんでしょ?可愛いじゃない。何でもできる子より。ね?美桜」



「うん。そ~だよ。ドジっぽさがかわいく見えるんだよ。楓はそうじゃなくても可愛いしね」


「美桜ちゃんがそういうなら、信じる」



「楓ー?なんにもできないのは、少し問題よ?」



雅ちゃん、楽しんでるよ……あははっ。


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