片思い。




「………何だよ。こっちみんな」



言い方はぶっきらぼうなのに全然刺々しさがなくて……、



ちょっと笑いそうになったのを慌ててこらえた。





それから他愛もない話をして時間を潰した。




1時間目が終わって、2時間目が始まる前に教室に戻った。



あたしは別に良かったんだけど真守くんはギリギリで入ってくるって言って、あたしだけ先に戻ってきた。



「美桜ちゃんー!遅いよぉ!」



「ごめんね……。寝坊しちゃって」



「珍しいね……。池宮も遅刻してるけど、……一緒にいたの?それで遅刻っ!?まさか、まさか!!」




ええええ!?



「違うから!真守くんとは偶然電車の中であって1限目終わるまで話してただけで!楓の思ってることとは全然違うから!」



とんでもない方向に勘違いされそうだったのを止めた。







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