片思い。




「さ!始めるよ〜」



とっても張り切っている楓はかばんからメイク道具を出してあたしを部屋にあるドレッサーの前にすわらせた。



「まさかメイクされるの?あたし」



「当たり前だよ!初デートなんだから気合入れないと!でも、気合入れ過ぎてもダメなんだけどね」



「え、どうして?」



「だって、そんな毎回毎回完璧だと疲れちゃうし、絶対に手を抜くようになってくるの。一番最初に気合入れまくってるとあとあと魅力が下がっちゃうでしょ?」



「そ、そういうものなんだ……」



そして。1時間半くらいたって、ようやくおわった。



「……できたー!我ながらいい出来!」



完成したあたしを見て目を輝かせる楓。



< 99 / 114 >

この作品をシェア

pagetop