不機嫌主任の溺愛宣言
――一華の考える“よーっぽどいやらしい事”とはなんだ!?
新たな不埒甚だしい疑問が頭をよぎったが、それはひとまず置いておく事にして、忠臣は自分の願望が軽蔑されず受け入れられた事を素直に喜んだ。
「良かった、君に軽蔑されなくて安心した」
「こんな事で軽蔑なんかしませんよ。そうだ、なんだったら一緒に買いに行きますか?忠臣さんが選んで下さいよ」
明るく言った一華の提案に、忠臣は再び動揺した様子を見せる。ランジェリーショップで刺激的な下着に囲まれながらどれを一華に着せるか迷ってる自分を想像して、忠臣はそのあまりに背徳的な光景に眩暈を感じた。
「一華……君はなかなか大胆な一面があるな……」
「そうですか?忠臣さんがやたらと純情な一面があるだけですよ」
頬杖を付きながら悪戯っぽく刺激的に微笑む彼女を見て、忠臣は
――やっぱりあの小悪魔のようなセクシーランジェリーは必ず一華に似合うに違いない。
と、心の奥で密かに確信を抱くのであった。
そうして向かえた忠臣36回目のバースデー。
また一歩“いい歳した”男になった忠臣が、小悪魔になった一華にどのように翻弄されたかは……ふたりだけの甘い秘密なのである。
【完】