今でも ずっと
どうして? なんで?
龍一の夢だから?
やりたかったことだから?


自転車を押しながら、ゆっくり、ゆっくり歩く。
家まで、あと少しなのに、なかなか進まない…。


今日は、トモの親のこと、龍一のこと…。
なんだか、くらくらするよ。
帰りたくないな…。


笑顔で、頑張ってとか、行ってらっしゃいって、言うべきなの?
…無理だよ。
今の私は、そんなこと言えないよ。
ひとりにしないで。
お願いだから…。


その夜は、龍一からのメールはこなかった。
私も、メールしてない。
会えた日は、いつもメールしてたのに。


夕飯も、ろくに食べないで、自分の部屋に閉じこもって、携帯を握ってた。
龍一からの気持ちを待ってた。
ドキドキして、なかなか眠れないから、遅い時間だと分かっていながら、涼子にメールしてみた。
どうしたらいい?
苦しいよお、涙が、とまんないよ。
家でも、ひとりみたいな感じだし、学校でだって…。
やっと守ってくれる人に、出会えたと思ってたのに。
ずっと、今の関係を続けていきたい。
でも、ついて行くこともできない。
もう、ひとりは嫌だよ。
信じられる人に、巡り逢えたのに。


涼子に、龍一のこと、今の気持ちを、ぶまちまけた。



涼子からの返事は、思ったより早かった。


明日、うちにおいで、って。


涼子に会うのは、久しぶりかもしれない。
補習なんか、もう行かない。
勉強なんか、手につかないよ。



やっぱり、龍一からメールはこない。
いつから、決めてたんだろ。
私のこと、好きなのかなあ…。


日付が変わっても眠れない。
もう少し、起きていよう。
どうせ、寝付けないしね。


もしかしたら、龍一から、メールが…。


涙が、でちゃうよ。
胸が苦しいよ。


お願い、龍一…。


龍一…。
< 13 / 13 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop