今でも ずっと
自転車のカゴに、カバンを押し込み、携帯をチェックしながら、勢いよくこぎ出す。

新着メールは…、なしかぁ…。

無駄に眩しい朝日と、ぬるい風…。
この暑さと、母親の小言のせいで、やる気がわいてこない。

幼い頃から、親の厳しい躾に、耐えてきた。
言うとうりにしないと、父親の手加減なしの、体罰がまっている。
中学に入ってからは、顔は殴らないと言われた。
あざが残ると、まずいから…
それからも、気に入らないことがあると、よく蹴られたりした。

高校に入ってからは、父親とは、喋らない。
親の顔色を、伺ってばかりの毎日。
家では、あまり笑わない。
千里は、成績がいいから、気にいられてる。
まあ、悪い見本が近くにいるから、自分の立場を守りやすいのかもね。

千里とは、仲のいい姉妹だった。
お互い、思春期をむかえた頃から、女として、無意識に張り合うこともあったかも。
終わらない虐待は、人を信じられなくなって、笑えなくなって、めちゃめちゃネガティブな性格を、形成していった。
千里は、そんな私を、きっと軽蔑してる。

よく2人で、遊んでたあの頃には、もう戻れないのかなぁ…
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