片想い、両思い、
「きみ、Aクラス??」

・・・・?
いきなりなんですか?(笑)

その声とは、低くて、男前な感じだった。

「あ、はい…」

あたしは、びびりつつ、答えた。

「あ!そっか!じゃ、一緒に行かないか??」

「え!えっと…。初対面だし…」

びっくりした。
積極性のある人だなあ…。

「大丈夫だって!!俺、山村悠都!悠って呼んでな!」

う・・・。
返しようがないよ・・・。
いきなり自己紹介ってのもなあ・・・。

「う・・えと・・・。」

答えようとするあたしを、
悠は、目を輝かせながら、聞こうとしてくれた。

「あたしは・・。中村美央!」

もう、思い切ってぶつけてみた。

すると、悠はくすっと笑った。

「いきなりテンションあがったね!」

悠の笑った顔は、誰よりも素敵で、
人を幸せにする顔だった。

「あははっ」

自分の言ったことを思い出すと、
あたしも笑ってしまった。
悠が笑ってくれると、
あたしも笑える。
あたしも笑顔になれるんだ。
まだ、さっきあってばかりなのに、
前から友達だったような気持ちがした。



「どんなやつ、いるんだろーな」

悠は、いきなり考える顔になった。

「んー…。みんないい人だといいね!」

あたしは、ふと思ったことを、
口にだした。

「そりゃ、そーだろ!!」

にかっと笑って、悠は言った。

「だよねっ」

そして、あたしもにかっと笑った。

「ってか、これからよろしくな!」

「うん!!こっちこそよろしくね!!」

これが、あたしの本物の初恋だった―…。
< 4 / 8 >

この作品をシェア

pagetop