そして君は星になった


「名前はなんて言うの?」


私たちは夕日を目の前にして
並んでその場に座った。



「水樹ソラ。17歳。」


答える気なんてなかったのに
勝手に口が動く。



「俺、黒田悠。あんたと同い年。」




これ以上私たちは話さなかった。



時々吹く風になびく黒田くんの
柔らかそうな髪をぼんやり眺めながら
陽が落ちるのを待っていた。




ゆっくり、ゆっくり赤い陽が落ちた。





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