そして君は星になった
季節は夏が終わろうとしていた。
私が今立っている
波打ち際からみた景色は、
もう泳いでいる人は居なくて
海の家がぽつんぽつんと寂しそうに
「氷」の旗をゆらりと揺らしながら
佇んでいる。
潮風はじっとりとした生ぬるい風で
私の白いワンピースを
肌にまとわりつかせる。
ワンピースの裾はふわふわと
その風にのっていた。
「なんにも、ない。」
声にならない声で私は呟いた。
それは陽が沈みかけていた時だった。