そして君は星になった
「何してんの」
急に聞きなれない低い声が
後ろの方から飛んできた。
私はビクッとして肩をすくめる。
恐る恐る振り向くと
一人の男の人があぐらをかいて
だるそうに砂浜で座っていた。
「さっきまで誰も居なかったのに…」
心の声がつい口に出てしまっていた。
「何してんの」
男の人はさっきと同じトーンで
同じことを聞いてきた。
「なんにも、してないよ」
少しだけ大きな声で返事をしてみた。
普段ほとんど喋らないから、
自分の声の大きさに少し戸惑った。