呪いのテディーボーイ
[あの切れ端あったじゃん。あれさ、やってみない?]
それはいつもの裕太よりもゆっくり確かめるような声だった。
[当たり前だろ?僕は確かめたいんだ。四年前の事件のことを。]
それはもうただの好奇心だった。なにか新しいことが始まる。いや、もう始まっている。僕にはそう思えてならなかった。
[だよなっ!そう言うと思ったよ!]
[でも、あと何日かで夏休みだろ?計画、いや、作戦を立てよう!]
[真面目っぽく見てえ凱の中身は子供だよな笑笑]
[うっさいな、裕太には言われたくないなよ笑笑]
携帯の向こう側から裕太の笑い声が聞こえてくる。
小さい頃の裕太はイジメられやすい性格だった。それでよく僕がかばっていっていたのに、いつの間にか裕太は僕の助けが要らないほどで、中学校ではもう、クラスの人気者になっていた。よく笑う明るい性格。
俺とは正反対な性格。
そのせいでよく、太陽と陰コンビと言われている。
べつに僕自信、自分の性格を直そうとは思わない。太陽があれば陰だってできる。そんな考え方だった。