表の顔☆裏の顔
一人でいろいろ考え込んでいた。
たしかにイケメンだと思う。
声もテノールで好きな声。
だけど無表情で何を考えているのかさっぱりわかんない!



クククッ(笑)

横から笑い声。
誰が?
まさかっ!?

ふと横を見ると
口を手で隠しながら笑うテノールボイスさん。

始めて見た!!
可愛い!!
さっきまで無表情だった顔は優しい笑顔えと変わっていたが、目が合った瞬間またあの無表情へ戻ってしまった。

「私、何か変な事しました?」

何を笑ってるのかわからなくて聞いてみると

「百面相」

「えっ?」

「春、一人で百面相してた」


ドキンッ!
春って名前呼ばれただけなのにドキドキする。
なんだろう?
名前なんて呼ばれ慣れてるはずなのに。
今までしゃべらなかったから?
うん!
そうに違いない!


クククッ(笑)

「また百面相」

ほえ?
また百面相してた?
しかもまた笑われてしまった。
なんか悔しい。

「テノールさん!笑わないで下さい!」

「!?テノールさん?」

しまったぁぁぁ!
つい口に出しちゃったぁぁぁ!

「す、すいません!名前わからなくて。
声がテノールで素敵だなぁと思ってて....
怒っちゃいました.....?」

「......和哉」

「えっ?」

「宇都宮和哉」

宇都宮和哉-ウツノミヤカズヤ-さんかぁ。

「あっあの〜宇都「和哉」

「えっ?」

「だから和哉」

和哉って呼べって事かな?
でも呼び捨ては.....

「和哉さん」

「......とりあえずは仕方ないか」

この人よくわかんない。
昨日まで一言も話さなかったみたいなのに。
口数は少ないけどある程度は話してくれる。
ただの気まぐれかな?
ちょっとイラっとする所もありけど我慢我慢。
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